近年、ChatGPTをはじめとした生成AIの登場により、これまでと比較して格段にAIが身近な存在となりました。 すでに日常生活でAIを活用されている方も多いことかと思います。
本記事では、改めてAIとは何か、また生成AIで何ができるのか、実際に触ってみた結果をご紹介していきます。
まず初めに、「AI」とは「Artificial Intelligence(人工知能)」の略称であり、簡単に言うと「人間の知的行動をコンピュータを使って再現しようとする技術」のことです。
AIという言葉は、1956年にアメリカで開催されたダートマス会議で初めて提唱され、その後何度かのAIブームを経て今日に至ります。特に2000年代に始まった第三次AIブームでは、ディープラーニング(深層学習)の登場により、高度な機械学習が可能となったことから、AI技術が飛躍的に進歩しました。
機械学習とは、コンピュータにデータを分析させることで特徴を学ばせ、それを基に予測を行わせる技術のことです。機械学習の学習方法(アルゴリズム)にはいくつかの種類があり、人間の脳の働きを模倣した「ニューラルネットワーク」もその一つです。基本的なニューラルネットワークは、「入力層」「隠れ層(中間層)」「出力層」の3層で構成されていますが、この隠れ層の階層を増やしたものが「ディープラーニング(深層学習)」です。多層構造となることによって、より人間のような複雑な学習が可能となりAI技術の向上に繋がりました。
こうした近年の技術革新に伴い、AIが新たなコンテンツを生み出す「生成AI」が発展しました。生成AIを活用することで、文章や画像、動画、音声など多種多様なコンテンツの生成が可能となります。これらのコンテンツは、AIが作ったとは思えないほど自然で、高品質なものが多いのが特徴です。
例えばChatGPTは、「GPT」という大規模言語モデル(LLM)を基盤にしています。言語モデルとは、人間の言葉を学習してその知識をもとに文章を生成する技術であり、ディープラーニングを活用して膨大なデータを学習したGPTは、非常に精度の高い文章の作成が可能です。
2022年11月にChatGPTが公開されて以降、生成AIは一般社会にも広く普及し、現在私たちは以下のサービスをはじめとした様々な生成AIを利用することができます。
開発元:OpenAI
特徴:基盤にOpenAI開発の大規模言語モデル「GPT」を採用している。
チャット形式でユーザーと自然な会話が可能。
サイト:https://openai.com/ja-JP/chatgpt/overview/
開発元:Microsoft
特徴:ChatGPT同様、言語モデルにOpenAIのGPTを利用。
WordなどのMicrosoft製品との連携による業務効率向上が強み。
サイト:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-copilot/organizations
開発元:Google
特徴 :対話型の生成AIサービス。旧Bard(バード)。Google DeepMind開発の大規模言語モデル「Gemini」を利用している。
サイト:https://gemini.google.com/
開発元:Stability AI
特徴 :オープンソースの画像生成AI。PCのスペックを満たせればローカル環境に導入することも可能。
サイト:https://ja.stability.ai/stable-diffusion
開発元:Runway AI
特徴 :動画生成AI。画像やテキストデータをもとにして動画を作成することができる。
サイト:https://runwayml.com/
それでは、実際に生成AIを触ってどのようなことができるのかを確認していきましょう。 ここでは例としてChatGPTを利用していきたいと思います。
名前を尋ねたところ、以下のように日本語できちんと回答してくれました。
なお、ChatGPTは多言語に対応しているため、英語で話しかければ英語で回答してくれたり、文章の翻訳もしてくれたりします。
このように、普通の日常会話レベルでは、意味の通った文章が生成可能なことがわかりました。
まず実現したい内容をChatGPTに投げかけます。
すると、ChatGPTで以下のようなスクリプトが生成されました。
# サインアウトを実行する関数
# カウントダウンを行い、サインアウトするメッセージを更新する関数
# カウントダウンが終了したらサインアウト
sign_out()
# キャンセルボタンが押された時の処理
# メインウィンドウの作成
# メッセージラベルの作成
# キャンセルボタンの作成
# カウントダウンを別スレッドで実行
# メインループ開始
さっそく実行したところ、文字が見切れてしまいそのままでは使えなさそうです。
今度は文章も見切れずに丁度よいサイズになりました。 [キャンセル]ボタンをクリックするとサインアウトが中止され、何もせず30秒が経過すると自動的にサインアウトされました。
Windowsのタスクスケジューラを使って、特定条件下でこのスクリプトを実行するようタスク設定すれば、共用パソコンなど利用台数が限られている環境で、一定時間操作されていなかった場合にサインアウトさせるといったことも実現できそうです。
このように、ChatGPTは簡単な会話から高度な会話まで、高い精度で対応が可能なことが分かりました。
便利な生成AIですが、利用するにあたっていくつか注意すべき点があります。 以下の点を意識して適切に使用しましょう。
生成AIはとても便利なツールです。
これにより、イラストや動画作成などクリエイティブな技術が必要な作業であっても、誰でも簡単にコンテンツが作れるようになりました。上手く使えば、生成AIは私たちの仕事を手助けしてくれる心強い存在になるでしょう。
しかしながら、生成AIが生み出す内容が必ずしも全て正しいというわけではないこと、また個人情報を入力すると情報漏洩のリスクがあるといった点などに注意しなければいけません。
生成AIを利用する際は、これらをよく理解した上で適切に活用するようにしましょう。