企業を狙う標的型攻撃メールのリスクとその対策について
はじめに
近年、標的型攻撃メールは企業や組織にとって深刻な脅威となっています。スパムメールとは異なり、特定の企業や個人を標的にした攻撃であり、精巧に作り込まれたメールであるため、気づかずに被害を受けるケースが増えています。
本記事では、標的型攻撃メールの手法やリスク、企業が取るべき具体的な対策について詳しく解説します。
標的型攻撃メールとは?
標的型攻撃メールは、企業や個人を狙ったサイバー攻撃の一種で、主にマルウェア感染を引き起こし、機密情報の漏洩を目的としています。攻撃者は、ターゲットの取引先や信頼できる組織を装い、悪意のあるWebサイトへの誘導や、悪質なファイルを添付したメールを送信します。
受信者がこれらのメールに含まれるリンクをクリックしたり、添付ファイルを開いたりすることで、マクロやスクリプトが実行され、その結果としてマルウェアがインストールされ、個人情報や機密情報が盗まれるリスクが高まります。
標的型攻撃メールの主な手法
標的型攻撃メールの主な手法は下記の通りです。
- 不審な送信元
- 業務に関連があるように見せかけ、実際には身に覚えのない相手からメールが送られる。
- 強制的な誘導
- 受信者の関心を引く文面でメール本文内のURL、添付ファイルを開かせようとする内容になっている。
- 公的機関を装ったメール
- 過去に受信したことのない公的機関や企業からのお知らせを装い、信頼性を高める。
標的型攻撃メールによる被害
標的型攻撃メールは、それぞれ異なる手法で被害をもたらします。
- 速攻型攻撃(短期間で攻撃を実行し即時の影響を与える)
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フィッシング攻撃:偽装メールで受信者を偽のWebサイトに誘導し、個人情報を盗み取る。
- マルウェア添付型攻撃(Emotet、IcedIDなど):不正なファイルをメールに添付し、開封と同時に感染させる。
- DoS/DDoS攻撃:大量のリクエストを送信し、標的のシステムをダウンさせる。
- 標的型攻撃メールによるリスク
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- 機密情報の漏洩:顧客情報や社内データの流出
- 金銭的被害:送金詐欺やランサムウェアによる被害
- 業務の停止:システムへの侵入による業務妨害など
標的型攻撃メールへの対策
標的型攻撃メールを防ぐためには、技術的な対策だけでなく、組織的な対策や従業員の意識向上も不可欠です。
- ①組織的な対策
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- セキュリティポリシーの策定:標的型攻撃メールへの対応手順を明確化する。
- インシデント対応チームの設置:攻撃を受けた際の迅速な対応を可能にする。
- 定期的な訓練:従業員に対して実際の攻撃を想定した訓練を実施する。
- ②従業員個人としての対策
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- OSやソフトウェアの定期的なアップデート
- セキュリティパッチを適用し、攻撃者が悪用できる脆弱性を減らす。
- ③不審なメール、添付ファイルやリンクを開かない
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- 標的型攻撃メールの手口を理解し、慎重に対応する。
- 文面の不自然な点をチェック(不自然な日本語、急な送金依頼など)
- 送信元アドレスの確認(偽装されていないか)
- 添付ファイルやリンクを不用意に開かない
- ④ID/パスワードの管理
- 多要素認証(MFA)の活用、使い回しを避けるなど適切に管理をする。
- ⑤社内ルールに基づく適切なデータ管理
- 機密情報の取り扱いに関する社内ポリシーやガイドラインを順守し、適切に管理すること
標的型攻撃メールは、年々手口が巧妙化しており、従来の対策だけでは防ぎきれません。企業は技術的な対策と従業員教育を組み合わせ、総合的なセキュリティ強化を図る必要があります。定期的な訓練と最新技術の導入を行い、リスクを最小限に抑える必要があります。
まとめ
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