NASのバックアップ先にクラウド・ストレージをおすすめする理由

はじめに


皆さんの職場ではデータの保存先として何を利用されていますか?

USBメモリや外付けHDD/SSD、クラウドなど、ストレージにも色々ありますが、「NAS(Network Attached Storage)」をファイルサーバとして活用している企業も多いことかと思います。
NAS(ナス)とは、ネットワーク経由でデータにアクセスするストレージ製品のことで、社内ネットワークにNASを接続しておけば、社員であれば誰でもファイルの保存や共有ができたりするため、非常に便利な機器であるといえます。
しかし、一般的にデータはいつどのような理由で使えなくなるか分からないため、NAS内に重要なデータを保存している場合は、念のためバックアップの設定も検討しておかなければなりません。 NASのバックアップ先として、これまで外付けHDDやSSD、別のNASなどが選択肢として挙げられましたが、近年はクラウドストレージに保存するパターンも増えてきています。

本記事では、NASのバックアップ先としてクラウドストレージをおすすめする理由を解説していきます。


1.NASのバックアップ先にクラウドストレージの理由

従来のNASのバックアップ方式としては、外付けHDDをケーブルで接続してバックアップを取得したり、もう1台NASを用意してバックアップする方法が用いられてきました。 しかしながら、これらの手法は機器を自社内で物理的に管理しなければならず、自然災害や盗難などで不意にハードが利用できなくなってしまった場合、バックアップも含めた全てのデータを失ってしまうリスクがありました。

その問題点を回避できるのが「クラウドストレージ」です。

クラウドストレージは、オンライン上の保存領域にデータを保管します。 つまり、クラウドストレージにNASのバックアップを取得しておくことで、もしも地震などの災害でNASが故障したとしても遠隔地にあるクラウドストレージには影響がなく、データを失う可能性を大幅に減らすことが出来ます。
この特性から、クラウドバックアップは自然災害や事故などの緊急事態時に事業の継続性を確保するための準備を行う「BCP対策(事業継続計画)」にも有効な手段の一つであるといえます。

また、クラウドストレージは「ランサムウェア攻撃」の対策としても一定の効果が期待できます。

ランサムウェアとは、マルウェア(悪意のあるソフトウェア)の一種で、感染するとデバイスのデータが暗号化されて使えない状態になってしまいます。

1台がランサムウェアに感染すると、社内ネットワークを通じて感染が拡大する恐れがありますが、ローカルから切り離された環境のクラウドストレージであれば、ランサムウェアに感染する可能性が低いといえます。あらかじめ定期的にバックアップを取得しておけば、もし社内でランサムウェアの被害にあっても、クラウドのデータから感染前の状態に復元することもできます。

一般的に重要なデータのバックアップは、「3-2-1ルール」で取得すると良いとされています。 クラウドにバックアップすることで、3-2-1ルールのオフサイト(遠隔地)へのデータ保管の条件を満たせることも、クラウドストレージをNASのバックアップ先に推奨する理由となります。

クラウドバックアップサービスを選ぶポイント

クラウドストレージといえば、Appleの「iCloud」やGoogleの「Google Drive」をはじめ、AWSの「Amazon S3」やMicrosoftの「Azure Blob Storage」など、個人向けから企業向けまで多種多様なサービスが提供されていますが、どのクラウドバックアップサービスが適当かは企業のニーズによって異なります。

ここからはクラウドバックアップ導入前に考慮しておくべき点をいくつか紹介します。

BCP対策
クラウドストレージを使用すれば、自社が自然災害等の被害に遭ってもデータを失うリスクは低くなりますが、反対にクラウドサービス側で障害が発生する可能性もあります。
多くのクラウドサービス事業者は、冗長性や可用性を考慮して障害が起きても問題ないような構成でサービスを提供していますが、BCP対策の一環としてクラウドを利用するのであれば、導入前にデータセンターの拠点がどこにあるのか、また複数存在しているのかなどの確認をしておくことをおすすめします。
セキュリティ対策
クラウドストレージへのバックアップはランサムウェア対策にもなりますが、昨今ではクラウドの脆弱性を悪用したランサムウェア攻撃(ランサムクラウド)を行うケースも報告されています。したがって、強固なセキュリティ対策を実施しているクラウドサービスを選択することが重要です。 例えば、一度書き込まれたデータの変更を防ぐイミュータブルストレージ(不変ストレージ)機能があれば、ランサムウェア攻撃によるデータの暗号化や削除を防止することができます。

Acronis Cyber Protect Cloudとは?

Acronis社の「Acronis Cyber Protect Cloud」は、マルウェア対策や脆弱性診断、バックアップ機能など、幅広いセキュリティ対策を一つにまとめたオールインワン製品です。 クラウドベースのためすぐに導入可能で、Webコンソール画面を使うことで複数のデバイスを簡単に一元管理できることから管理者の負担軽減につながります。 バックアップ先としては、クラウドストレージやローカルストレージなどに対応しているほか、セキュリティ面でもバックアップデータをAES-256で暗号化したり、ランサムウェア対策として不変ストレージ機能を備えていたりと、NASのバックアップソリューションとして非常におすすめの製品です。

まとめ

企業にとってデータは大切な資産です。故障や事故などでNASが使えなくなってしまう前に、データのバックアップを設定しておきましょう。

ミテネインターネットでは、Acronisを用いた「mitene Backup Cloud」サービスを提供しています。弊社所有のデータセンター(ふくいデータセンター)に、機器をハウジングしてバックアップを取得するといった柔軟な対応も可能となっておりますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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